“レスストレス(LessStress)”のご紹介

リムレスフレームの販売に際して一番のネックとなるのが、レンズの穴あけ加工。

フレアーは、デザインは良いけれども加工が難しそうなのでちょっと……と、お取り扱いを敬遠されている小売店様もきっといらっしゃるはず。

ハンドドリルによる手作業の穴あけ加工では若干心もとない、けれども、数百万円もする全自動の加工機械を簡単には購入できないし……。

そんな悩みを人知れず抱えている小売店様に、フレアー事業部から、手頃で便利なドイツ製の卓上穴あけ機械 “レスストレス(LessStress)” をご紹介いたします。

 

レスストレスは、ドイツの光学機械メーカー“インタースピード(interspeed)”社が開発した卓上穴あけ機械。ドリルを定位置で回転させ、工作物(レンズ)を固定したテーブルを動かして切削加工を行う、いわゆるフライス盤です。

 

 

このレスストレス、実はドイツのメガネ業界では、知らない人がいないほどメジャーな加工機械です。ドイツ国内には現在 約12,000店舗の眼鏡店があると言われていますが、そのうちのなんと5,000店舗近く(!)が、このレスストレスを用いてリムレスフレームの穴あけ加工を行っているそうです。

レスストレスがいかに高い汎用性を持つ機械であるか、また、いかに多くの眼鏡士たちの信頼を集めている機械であるかが、この一事だけからでも伺えると思います。

 

とはいえ、便利とは言っても外国製の加工機械、殊に今でも昔ながらのマイスター制度をとるドイツの職人たちが愛用する加工機械となれば、その操作はずいぶんと難しいのでは? と思われた方。ご安心ください。レスストレスの操作方法は、本当に驚くほど簡単。

簡単、単純だからこそ逆に、使う人の創意次第で様々なアレンジメントが可能になるのが、この加工機の最大の魅力と言っていいでしょう。

それでは以下、レスストレスの具体的な操作方法をご紹介したいと思います。

 

基本的な操作方法

 

レスストレスの操作方法は極めて簡単です。

① 可動式テーブルの上にレンズをセットします。

② 機械前面にあるハンドルを回すとテーブルが前後に、機械側面にあるハンドルを回すとテーブルが左右に、それぞれ移動します。両ハンドルを用いて、穴を開けたいポイントがドリルの真下に来るようにテーブルの位置を調整します。

レンズ表面は様々な角度にカーブしていますが、ご心配はいりません。ドリルの角度が左右に25°、スライドテーブルが前後に10°可動しますので、どんなカーブのレンズでも、ドリルの入射角度を垂直に定位させることが出来ます。

③ ドリルの角度とテーブルの位置が定まったら、ドリルを回転させながら機械上部のレバー(ドリルアーム)を降ろして、レンズに穴をあけます。

 

 

 

基本的な操作はたったこれだけ。

これだけなら、他メーカーの卓上穴あけ機械とそれほど異ならないのでは? と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 

レスストレスの最大の特性は、可動式テーブルの前後左右への移動を、0.05mm刻みという精緻さで行うことが出来ること。任意のポイントをスタート地点として、そこからのテーブルの移動距離が、X軸(横方向)/Y軸(縦方向)上の位置として数値化され、左手前のディスプレイに表示されます。

 

 

例えば、下図の①をゼロ・ポジション、つまり、X軸/Y軸ともに目盛り数値が0.00の地点とすると、ここを起点として、

- 穴位置②は、X軸(横)方向に3.00mm、Y軸(上)方向に0.00mmの地点、

- 穴位置③は、X軸(横)方向に5.35mm、Y軸(上)方向に4.50mmの地点、

にあることをそれぞれ意味します。

 

 

 

具体的な操作としては、まずドリルの先端を①の地点に合わせて、ディスプレイの目盛りを0.00にリセットします。次いで、ディスプレイ目盛りの表示が上述の数値になるまで、ハンドルをまわしてテーブルを移動。上記数値が表示される位置でドリルを回転させ、そこでドリルアームを降ろしてレンズに穴をあけます。

 

実際に動かしてみて驚くのが、この手の機械にありがちなハンドル操作の大味感が皆無なこと! 0.05mm単位でのドリルの位置合わせ、と聞くと、非常に細かな神経を使う操作を想像されるかもしれませんが、重すぎも軽すぎもしない絶妙なハンドルの操作感が、極めて繊細なドリルのポジショニングを可能にします。練習の必要はいっさいありません。

 

ところで、お気付きの方もいらっしゃると思いますが、もしも上図のような、ゼロ・ポジションと、そこから穴位置までの距離数値があらかじめ与えられていれば、目測には一切拠らずに、ディスプレイ上の目盛り数値を見ているだけで、正確な穴あけ加工が出来ることになります。

またそうした数値データがなくとも、初回加工の際に計測した数値を控えておけば、同じフレームの2度目からの加工では、その数値にしたがってドリルのポジションを定位するだけで、簡単に穴あけ加工が出来てしまいます。

 

さて、実はドイツ・フレアー社では、レスストレスでの加工用に、2007年以降に発売したフレアーのすべてのモデルに関して、上述のような穴位置の数値データをご用意しています。レスストレスの普及率が非常に高いドイツの眼鏡メーカーならではのサービスと言えるでしょう。

 

 

 

同データは、ドイツ・フレアー社のホームページ(http://www.flair.de)からもダウンロードできますので、すでにレスストレスをお持ちのお客様はお気軽にご利用下さい。

ちなみに、レスストレスの製造元であるインタースピード社のホームページ(http://www.lessstress.de)にも、さまざまなメガネブランドの穴位置の数値データが掲載されています(こちらのログインには、ご購入頂いたレスストレスのシリアルナンバーが必要です)。

 

さて、本年10月のIOFTでは、昨年に続いて、ドイツ・フレアー社のマイスター眼鏡士、ペーター・オッテンハウゼンさんをお招きして、レスストレスを使ったフレアーフレームの加工実演を行います。興味をお持ちの方は、ぜひフレアーブースにお立ち寄り下さい。

 

 

 

フレアー事業部 前川 真寿