TRESSE:三つ編み

先日の休日、小学生の娘が髪を結んでほしいと言ってきた。すごく久しぶりのことだった。保育園の時などはよくあったのだが、ここ数年は自分でもできるようになったので頼まれることもなくなっていた。決してわたしがうまいわけではない。しかし少しうれしいお願いだった。

お願いしてくるくらいなので三つ編みにしても良いかきいてみた。時間はあるらしいので・・・。

髪を三つに分け、順に重ねていく。右を中央へ。左を重ねる。考えるよりも先に、手が順序を知っている。その繰り返しのあいだ、頭の中から余分なものが落ちていく。

ばらばらだったものを一本に束ねながら、それぞれの存在を消さずに残す。

迷い・決意・希望も。失敗・後悔・言えなかった言葉も。その三つをほどけないように。乱れたものは、編むことにより物語になる。

人生では、迷いはなくならない。むしろ増えていく。経験は重なり、考えるべきことも多くなる。その中で必要なのは、すべてを消すことではなく、順序を与えることだ。三つ編みは、その象徴のような形をしている。

三つの束が交差するたび、時間は整理されていく。過去、現在、未来。そのすべてを抱えたまま、一本の線へと変えていく。完成した形は主張しないが、簡単には崩れない。

結び終えると娘は深く息をした。単に終わったかというだけだったのだが、私にはそれはまるでなにかを決意したように思えた・・・。

どうやらいろいろと考えさせられたのは私のほうだったみたいだ・・・。

整えるという行為は、飾ることとは違う。それは、自分の輪郭を引き直すことだ。今日という一日をどう生きるかを、無言のうちに決める小さな儀式なのかもしれない。

三つ編みは語らない。ただ、そこにある。

静かで、確かで、ほどけにくい。その佇まいこそが、成熟した美しさなのかもしれない。

三つ編みからテンプルをデザインしたドラジェ TRESSE。

2月には新しいシェイプがラインナップに加わります。