「Demi(デミ)」という言葉は、フランス語で「半分」「中間」を意味します。
黒でもなく、茶でもない。どちらかに定めない、その曖昧さを肯定する言葉です。
もともとこの色柄は19世紀ごろから、Demi-Tortoiseshell と呼ばれていました。
べっ甲特有の、濃淡が混ざり合う不均一な美しさを表現するために、「中間」を意味する demi が添えられていたのです。その後、Tortoiseshell という言葉だけが消え、demi だけが残りました。
この“中間であること”こそが、demi の最大の魅力です。
黒ほど強くなく、茶色ほどラフでもない。だからこそ、仕事の日も、休日の装いにも自然に溶け込み、掛ける人の年齢やシーンを限定しません。男女問わず、シーンを選ばず、最も自然に顔に馴染む。だからこそ、今でもメガネフレームに欠かせないカラーとして在り続けています。
その demi の魅力が、最も端正なかたちで表れているのが、modern times vintage「MVT-20」3番カラーです。
MVT-20は、レンズサイズをあえて小ぶりに設計したモデルです。顔の中でフレームが過度に主張することなく、視線を引き締め、知的で洗練された印象を生み出します。
クラシックな雰囲気を纏いながら、決して重く見えない。
そのバランス感覚が、このモデルの大きな魅力です。
フロントのカラーには、少し黄色味の強い demi カラーを採用しています。この demi の柔らかな奥行きに、ヨロイやテンプルのメタルパーツがもつ静かな光沢が重なり合うことで、全体にほどよい緊張感が生まれています。有機的な色味と、無機質な金属の質感。その対比が、クラシックでありながらモダンな印象を際立たせています。
ブリッジ・ノーズ、テンプルといった各パーツは、日本製ならではの精度で仕上げられています。フロントには、眼鏡産地・鯖江の七宝職人の中でも、限られた職人でしか施せない三面巻き(リムの上面・下面・裏面に七宝を施す技法)を採用しました。密着度が高く、非常に完成度の高い仕上がりです。一つひとつのパーツが控えめに連なり、全体として非常に品のある佇まいを形づくっています。
素材にはβチタンを使用。
軽量でしなやかなバネ性と高い強度を備え、長時間の着用でも負担を感じにくい設計です。
金属アレルギーやサビが起こりにくい点も、日常使いにおいて大きな安心材料となります。
ノーズパッドにもチタン製パーツを採用しています。汚れにくく、耐久性が高く、肌への刺激も少ないため、金属や樹脂に敏感な方にもおすすめです。なにより、プラスチック製パッドのように経年劣化しにくい点は、長く使う上で大きなメリットと言えるでしょう。
見えない部分にまで妥協しないつくりが、掛け心地の良さと信頼感につながっています。
派手さはありませんが、細部を見れば見るほど、つくりの良さが伝わってきます。
MVT-20の demi カラーは、なぜこの色が長く選ばれ続けてきたのかを、言葉ではなく佇まいで伝えてくれる一本です。
ブランド:modern times ‘vintage’
品番: MVT-20 col.03
製造国:日本
参考小売価格:¥28,600(税込)