軽やかに、自分らしく。Art Couture 9143

今年、FLAIRは創業80周年を迎えました。
軽やかさと繊細な美しさを大切にしながら、時代とともに新しい表情を提案してきたFLAIR。そのアニバーサリーイヤーにご紹介する一本が、Art Couture 9143です。

すっきりとしたリムレスデザインに、繊細なゴールドのライン。
丸みがありつつも直線的なディテールが全体を引き締め、ジルコニアをあしらいながらも甘くなりすぎない、凛とした印象に仕上げています。

テンプルに添えられたジルコニアは、ごく小さく控えめ。主張しすぎることなく、ふと横を向いた時や髪を耳にかけた時に、静かにきらめくアクセントです。華やかさを前面に出すのではなく、いつもの表情にほんの少し上質なニュアンスを加えてくれます。

合わせたいのは、ミニマルなワンピースや、Iラインのスカートにジャケットを羽織ったような端正なスタイル。甘さを抑えたすっきりとした装いに、繊細なゴールドと小さなジルコニアが、さりげない華やかさを添えてくれます。

リムレスフレームならではの魅力は、フレームの存在感を抑えながら、素顔らしさを自然に生かせること。レンズシェイプの選び方によって、シャープで知的に、やわらかく上品に、あるいは少しモードにと、ご自身らしい表情へアレンジすることもできます。

軽やかで、凛としていて、さりげなく特別。
Art Couture 9143を、ぜひお試しください。

レンズを覗いて、江戸を見る。上野の大英博物館展とめがねの話

上野公園の東京都美術館で、少し変わった里帰りが起きています。過去に海を渡り大英博物館に所蔵されている日本美術コレクションの中から、江戸時代の絵がまとまって帰ってきています。

「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」。4万点にのぼる日本コレクションから、選りすぐりの優品およそ200件が並んでいます。喜多川歌麿の肉筆画「文読む遊女」は今回が初めての里帰り。円山応挙の「虎の子渡し図屛風」も来ています。展示期間は10月18日まで。そのあと大阪中之島美術館へ巡回します。

とりわけ話題なのが狩野派の襖絵です。青森県中泊町の宮越家が所蔵する「春景花鳥図襖」、大英博物館の「秋冬花鳥図襖」、シアトル美術館が所蔵する「琴棋書画仙人図襖」。この3組がもとは一連の作品だったとわかり、約150年ぶりに一堂に会しました。大英博物館とシアトル美術館のものは、もともと一枚の襖の表と裏。1930年代に引き裂かれた両面が、いま同じ部屋に並んでいます。次にいつ見られるかは、誰にもわかりません。

前述の円山応挙は、若い頃「眼鏡絵(めがねえ)」を描いていました。遠近法で風景を描き、凸レンズを付けた覗き眼鏡を通して見ると立体的に見える絵です。傾けた鏡に映してレンズで覗く仕掛けなので、原画は左右が反転しています。絵は木版で刷った線に筆で色をつけ、さらにその絵に小さな穴を開けて薄紙を貼り、裏から光を当てる仕掛けまで施されています。そこだけが淡く光って見えたそうです。虎を屏風に描いたあの応挙の出発点が、レンズの向こうの小さな風景だったわけです。

そして江戸時代に油絵を描いていたことで有名な司馬江漢がいます(代表作は「相州鎌倉七里浜図」)。天明4年(1784年)、自ら手がけた腐食銅版の技法で眼鏡絵を一枚つくりました。「不忍之池」です。上野の不忍池を南岸から北へ望んだ構図です。江漢は覗くための「反射式のぞき眼鏡」まで自作しました。現物は神戸市立博物館に残っています。

会場の東京都美術館は上野公園の中、不忍池はそこから歩いてすぐです。240年ほど前、この池の絵をレンズ越しに覗いて驚いた人たちがいた。そう思って会場を出ると、いつもの上野が少し違って見えるかもしれませんね。

江戸時代のめがねは、レンズにガラスか水晶、フレームにべっ甲や水牛の角、木などを使っていました。よく知られているのが、徳川家康の遺品。久能山東照宮に「目器」として伝わる重要文化財で、つるはなく、鼻に乗せるか手で支える形。そのフレームは、べっ甲でできています。

日本にめがねが伝わったごく初期から、べっ甲は最上級の素材のひとつでした。天下人が鼻に乗せていた縁と、いま私たちが扱う素材が同じである。なかなか面白い事実だと思います。

三共社には「341」というべっ甲アイウェアのブランドがあります。素材はタイマイという海亀の甲羅で、生を全うして自然へ還った個体のものだけを使い、職人が長い時間をかけて磨き上げます。斑の出方も飴色の深さも一枚ごとに違うので、同じ柄のフレームはできません。

べっ甲はかけ込むほど艶が深まり、手に馴染む。持ち主が重ねた時間が、そのまま素材の表情になります。ブランドが掲げているのも、時を超えて受け継がれる価値と、自然の循環を尊重することです。

名前の「341」は、かつて本郷区湯島天神町にあった、今はもう存在しない番地に由来します。三共社が115年、眼鏡とともに歩いてきた出発点の住所です。そして三共社は、今も湯島にあります。上野公園を南へ抜け、不忍池のほとりを回ってさらに南に抜ければ湯島。江漢が絵に描いた池と341が生まれた町は、歩いて行ける距離にあります。

展覧会は10月18日までです。もし上野へ行かれるなら、帰りに少し遠回りをして、不忍池のほとりを歩いてみてはいかがでしょうか。江戸時代の絵師が見てきた景色と同じ景色を今レンズ越しに見る。景色は全くかわってしまったかもしれませんが、同じ場所を見ていた、過去と未来を見るような不思議な感覚を味わうことができるかもしれません。いつか手元にべっ甲を選ぶ日が来たら、その素材も日本のめがねのごく初めから使われてきたものだと、思い出していただけたらうれしく思います。

だから日向はやめられない!

先日、ずっと訪問したかったがなかなか伺えなかった取引先、宮崎県日向市のサーフプロショップ「DearSurf」様に伺った。前任者が大好きであったお店。すぐにどうして彼が好きだったのかがわかった。

私は一度もサーフィンをしたことがないことをお伝えすると、「一時間サーフィンしていくかい?教えるよ。」となかなか他ではないご提案。自信も時間もなくお断りをしたのだが、前任者ならサーフィンしていたのだろうなと心の中で思った。

ようやく新しい商品を見ていただき、商談をさせていただいている間もオーナーご夫婦のやりとりが最高で楽しい時間であった。

そのうちオーナーからお昼ご飯に行こうとお誘いをいただく。しかし、これからオーナーは東京へ展示会のための出張に行くことを知っていたので遠慮すると、「サーフィンか昼飯か選んで」ということだったのでお昼ご飯をお願いした。

お店のお客様と3人で、海岸近くの食堂にてお昼をご一緒させていただいた。そのお客様は大分から2時間半かけて、お休みのたびに日向にこられているという。

オーダーした食事が運ばれてきたとき、そのお客様が「だから日向はやめられない」とおっしゃった。すごく印象的な言葉であった。食事がおわるまでに3回「だから日向はやめられない」とおっしゃった。そういうことなのだなと思った。

馬ヶ背の断崖絶壁

この絶壁を抜けてくる風が、神々しさを感じる冷たい心地よい強い風で、風にあたることで多くの邪魔なものを浄化してくれるような感じがした。

大御神社

宮崎県日向市の太平洋に面した岩の上に建つ。天照皇大御神(あまてらすすめおおみかみ)を御祭神とする古社で、「日向のお伊勢さま」とも呼ばれる。日本代表のラグビーチームが必勝祈願をしたさざれ石。

サーフィンで有名な日向だが、今度はゆっくりとプライベートで来てみたくおもった。その時は「だから日向はやめられない」とおもうことだろう。

世界を転戦している伊東リアルがつないでくれた日向。日本に帰ってきたら会いに行きたく思った。

ブランド:modern times ‘real’
品番:modern times ‘real’ 09
カラー:3色展開
参考小売価格:24,200円(税込)
日本製

稜線に、炭素の時間を。ドゥアン DUN-LC021

朝、鏡の前でフレームを手に取る。指先に伝わるのは、金属とも樹脂とも違う、乾いた軽さ。黒とグレーが規則正しく編み込まれた模様が、光の角度でわずかに表情を変える。
ドゥアンDUN-LC021。掛けた瞬間、横顔の輪郭がひとつ引き締まります。
表情を決めているのは、フロント上部を横切るブローバーです。目元の上に水平線が一本通ることで視線の位置が定まり、顔の印象に芯が生まれます。対して下部はリムを持たないナイロール。上は意志的に、下は軽やかに。この対比が、重々しさに傾かない精悍さを生んでいます。

カラーのGRS(Gray Shirring)は、フロントに細かな筋目を刻んだグレー。光を面で受け止めず、細く分けて返すため、メタルにありがちな強い照りが出ません。テンプルのカーボンが見せる立体的な表面模様は、ブローバーの稜線と連動しています。ハイグレードシリーズにふさわしい、端正な設計です。


「カーボン=軽くて丈夫」。
おおむねその理解で間違いありませんが、素材の正体をもう少し具体的に見ておきます。
眼鏡やクルマに用いられるカーボンは、正確にはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)と呼ばれる複合材料です。髪の毛よりも細い炭素繊維を樹脂で固めたもので、比重は鉄のおよそ4分の1、アルミニウムの3分の2ほど。それでいて強度は鉄の約10倍、アルミニウムの4〜8倍に達します(高強度カーボンはさらに上を行きます)。錆びず、薬品にも強い。そのため航空機の機体から自動車のボディ、ゴルフシャフト、人工関節、さらには橋の耐震補強にまで用いられてきました。なかでもドゥアンが採用するのは、樹脂の量を抑えて炭素繊維の密度を高めた「ドライカーボン」です。

模様にも理由があります。ドゥアンが選ぶのは綾織です。縦糸と横糸を一本飛ばしに編み込む織り方で、市松にも似た立体的な陰影は、この編み目から生まれます。つまりこの模様は、あとから描かれたものではありません。素材そのものの構造が、そのまま表情になっています。

素材が軽くても、掛け心地は別の話です。DUN-LC021が備えるのは、ゴムメタル製のBSヒンジ。ゴムメタルはしなやかに伸縮するチタン合金で、テンプルの動きが顔の形に穏やかに追従します。強く締め付けるのではなく、沿わせる。長い一日の終わりに差が出るのは、こうした部分です。耳にかかるモダンには芯金が入り、掛ける人に合わせた調整も可能です。カーボンだから融通が利かない、ということはありません。


もうひとつ、あまり語られない美点を挙げておきます。ドゥアンのカーボンモデルは、メタルパーツとカーボンの接合部に、あえて「先に外れる」設計を採っています。想定を超える力が加わったとき、接着部が離れることでカーボン本体の破損を防ぐ。万一の破損による怪我を避けるための、静かな安全設計です。強さを誇るだけでなく、壊れ方まで設計されている。鯖江でつくられる一本の奥行きは、こうした見えない部分に表れます。

朝から晩まで掛け続ける方にこそ薦めたい一本です。カーボンの軽さは、朝ではなく午後に実感するものです。週末、ハンドルを握る時間にも自然に馴染みます。もともとクルマのボディに用いられてきた素材です。馴染むのは道理でしょう。

カーボンフレームは初めてという方にも、一度手に取っていただきたい。指先で持ち上げた瞬間の、予想を裏切る軽さ。

空を飛ぶために、速く走るために生まれた素材が、いま眉の上に一本の稜線として置かれている。
DUN-LC021 GRS。静かに精悍な、大人の男性のための一本です。

ブランド:dun(ドゥアン)LUXURY COLLECTION
掲載品番:DUN-LC021
カラー:GRS(Gray Shirring)
サイズ:55□16-141
素材:コンポジットカーボン/チタン/ゴムメタル
参考小売価格:110,000円(税別)
日本製(鯖江)