最近は動画配信サービスの普及で、ドラマなどを一気に視聴する「イッキ見」が
当たり前になりました。短時間で物語を楽しめる便利な方法です。
気づけば「もう1話だけ」のはずが深夜2時。
そして翌朝に少し後悔する―そんな経験のある方、多いのではないでしょうか。
(ちなみに弊社高崎ロジスティクス勤務のとある方。
やめられなくて最後まで見てしまうことが多々あるようです…)
一方で、まったく逆の楽しみ方もあります。
それは毎週少しずつ物語にふれていく体験です。
例えばNHK大河ドラマ。
毎週日曜日に放送、一年間かけて一つの物語が描かれ、
視聴者は一年間、その時代や人物と付き合うことになります。
すると歴史上の人物が、単なる出来事ではなく、
一人の人間として見えてくる瞬間があります。
今年の大河ドラマは、豊臣秀吉の弟・秀長を主人公にした「豊臣兄弟.ᐟ」
人たらしの兄弟が人間味あふれる振る舞いを見せ、視聴率は好調のようです。
(最近も大河ドラマを題材にしましたが…)
■天下統一を支えた「調整役」
秀吉はカリスマ的なリーダーとして知られていますが、
豊臣政権の安定には弟・秀長の存在が大きかったといわれています。
秀長は
・大名同士の利害調整
・家臣の不満の声を聴く
・秀吉の感情のコントロール
・政権運営の実務
といった役割を担っていました。
つまり彼は、組織の潤滑油のような存在でした。
(秀長が亡くなった後、豊臣政権は次第に不安定になっていきます)
例えば、豊臣政権では大名同士の対立が絶えませんでした。
メンツや利害が絡む中で、正論だけでは物事は動きません。
そうした場面で秀長は、双方の話を丁寧に聞きながら、
表では立てつつ、裏で落としどころをつくる―
いわば「誰も完全には負けない形」を設計していきました。
強く押し切るのではなく、全員が納得できる空気をつくること。
それが秀長の調整でした。
(「豊臣兄弟.ᐟ」第1回の冒頭がまさにそのようなシーンでした)
現代でいえば「会議で何も決まらない中、なぜかあの人が入ると話がまとまる」
―そんな存在に近いかもしれません。
■組織は感情で動く
企業では合理性が重視されますが、実際の組織では
・部門間の対立
・評価への不満
・人間関係の衝突
など、感情の問題が少なくありません。
こうした問題を解決するには、相手の立場を理解し、
関係を整える共感と調整の力が必要になります。
■AIが苦手な領域
AIは分析や計算などの論理的な処理を得意とします。
しかし
・人の感情の変化を察する
・人間関係の対立を調整する
・信頼関係を築く
といった能力は、いまだ人間の重要な役割です。
言い換えれば、AIが進化するほど人間の価値は「共感と調整」に集まっていくともいえるでしょう。
■AI時代の組織に必要な人材
企業には目立つ成果を出す人がいる一方で、
人間関係や組織の空気を整える、目立たない役割も欠かせません。
豊臣秀長は、まさにそのような存在でした。
AIがどれほど進化しても、
人と人の関係を整える役割がなくなることはありません。
人と人の間に立ち、関係を整える存在―。
そうした人材こそ、AI時代の組織において、
最も価値を持ち続ける存在なのかもしれません。






























