私は浜田省吾さんの曲が好きで、
若い頃(嗚呼あれは14歳)からずっと聴いてきました。
長く聴いていると歌そのものだけではなく、
その言葉や生き方について考えさせられることがあります。
以前、浜田省吾さんが2023年のライブMCで、
「今後の目標は、自分をリセットすること・ゼロに戻したい」
と語っていました。
長いキャリアを積んできた彼が、あえて「ゼロに戻りたい」と言う。
この言葉が、なぜか強く心に残りました。
「ゼロに戻す」とは、これまでの経験をすべて捨てることではないとおもいます。
むしろ、積み重ねてきた経験や価値観をいったん横に置き、
「今、本当に必要なものは何か」を、
もう一度見つめ直すことではないでしょうか。
そして、この考え方は、これからの日本、
企業経営にも通じるものがあると感じるようになりました。
■これまでの経験則が通用しない時代へ
日本は少子高齢化と人口減少の時代に突入しています。
これは単に「人が少なくなる」という話ではなく、
私たちが当たり前だと思ってきた社会や企業の前提そのものが
変わっていくということです。
「人が足りなければ採用すればよい」
「市場は自然に拡大していく」
「これまで成功した方法を続ければよい」
こうした考え方、今まではある程度通用してきました。
しかし、これからの時代に、同じ前提が成り立つとは限りません。
だからこそ、私たちは「今まではこうだった」という経験則を、
一度リセットして考え直す必要があるのだとおもいます。
■経験を捨てるのではなく、経験に縛られない
もちろん、経験は大切な財産です。
長い年月をかけて培った知識や技術、お客様との関係、仕事のノウハウは、
決して失ってはならないものです。
一方で、経験は時として「固定観念」にもなります。
「昔からこうしている」
「これまではこれでうまくいった」
そんな考えが、知らないうちに新しいものを受け入れる妨げになることもあります。
大切なのは、過去を否定することではなく、
過去を知ったうえで、過去に縛られないこと。
残すべきものは残し、変えるべきものは変える。
そして必要であれば、一度「ゼロ」に戻って考えてみる。
これは個人だけではなく、企業にも言えることだと思います。
当社にも、創業以来大切にしてきた考え方や、
先輩たちから受け継いできた仕事のやり方があります。
それらを大切にしながらも、社会が変われば、
企業も変わり続けなければなりません。
「もし今、何もないところからこの会社を始めるとしたら、
どんな会社にしていこうとおもうだろうか」
そんな視点を持つことで、これまでの経験を「答え」ではなく、
未来を考えるための「財産」として活かせるのではないでしょうか。
だからこそ当社は「今までどうだったか」ではなく、
「これからどうするか」という視点を大切にしていきたいと考えています。
■まっさらな視点で、未来を見つめる
浜田省吾さんの語る「ゼロに戻す」。
長い年月を歩んできたからこそ、一度ゼロに戻り、
そこから新しい未来を見つめる。
個人も企業もそのようなことを繰り返しながら、
新しい時代へ進んでいくのかもしれません。
メガネは視界をクリアにします。
当社もまた、これまでの経験というレンズだけで未来を見るのではなく、
時にはそのレンズを外し、
まっさらな視点から未来を見つめ直したいと考えています。
そうすることで、これから進むべき道がより明確に見えてくるはずです。
『青空の下を駆ける 時には嵐の日だってある
でも生きるんだ 呼吸止めずに
成し遂げたことより 今をどう生きるかって考えている
自分忘れの旅の途上で』
~浜田省吾『旅するソングライター』より~









