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ある晴れた日に

休日の昼過ぎに、用事があったので地元の駅前に行きました。

その日は長雨の合間の良く晴れた日でした。本当に久しぶりに晴れた日だったので、用事を済ませた後、まっすぐ家に帰らずに少し遠回りをして歩くことにしました。運動嫌いな私にしては非常に珍しい事なのですが何しろその日まで本当にひどい雨続きだったので、もう少し日光にあたっておきたいと思ったのです。

駅周辺なので、歩くのは緑豊かな散歩道とはいかず、普通に自動車が行き来する歩道のない二車線の道路だったりするのですが、強い日差しを背中に浴びながらそれなりに機嫌よく歩いていました。

すると後ろの方から、ざりざりざりざりざりざり・・・という音が近づいてきました。重い荷物の入ったダンボール箱をアスファルトの上で引きずっているような音です。少々不気味な音です。

これが夜道であったならちょっとした怪談話かサスペンスドラマに発展するところですが、あいにくというか幸いというか今は良く晴れた昼間です。まあ、そう聞こえる通り誰かが荷物を引きずって歩いているんだろうと思いました。

まったくもう、無精な荷物の運び方しちゃって。うるさいなあ。誰だよ。

振り返りかけた私の左のひじの近くをかすめて1匹のブルドッグの顔が通り過ぎていきました。

正確に言うと自転車を押して歩いているおじさんが私を追い越していき、その前カゴにブルドッグが乗せられていたのです。

舌をダランと出して、とても暑そうにしています。そしてその口から、ざりざりざりという音、いや声が発せられているのでした。

あっけにとられて見送りながら、犬が暑がっている時の声ってこんなだったっけ?それとも私の耳がおかしくなっているのかしら?と思いました。でも前方の道端で立ち話をしていた若者2人が大笑いしながらブルドッグを見送っていますし、道路の反対側にいる人達までもがこちら側を見ています。やはり普通ではない声のようです。

のどの渇きの限界だったのでしょうか。だとしたら気の毒な話なのですが。

結局、ざりざりざりの後をついていく形となりましたが、途中でおじさんとブルドッグは角を曲がって行きました。

それをしばらく見送りながら、「家に帰ったら、たくさん水をもらうんだよ。それから、投稿のネタをくれて、どうもありがとう。おばちゃん、ネタがなくて困ってたから、助かったよ。」とブルドッグに心の中で話しかけたのでした。

 

経理部  倉田

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