■ 今年の花粉事情

日本気象協会の調査では、東京・多摩地区の2026年の花粉飛散量は、3月上旬の時点で昨年同期比およそ10倍を記録しています。
全国的に見ても、9割以上の地域で「大量飛散」(3,000個/cm²以上)が予測されており、東日本・北日本は特に注意が必要な状況です。
スギ花粉のピークは3月中旬まで続き、その後ヒノキ花粉に切り替わって4月上旬まで第2波が続きます。まだまだ油断禁物です。
ところで、なぜここまで花粉症に悩む人が増えたのでしょうか。戦後の大規模な植林や大気汚染など複数の要因が指摘されていますが、中でも少し驚く説があります。「寄生虫が減ったから」という研究です。
日本人の寄生虫感染率は1949年には約63%でしたが、衛生環境の改善とともに激減し、1990年代には0.02%以下に。寄生虫は腸内環境を通じてアレルギー反応を抑える働きをしていたとされており、「清潔になりすぎた環境」が皮肉にも花粉症を増やした一因になったと考えられているのです。また藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授)が自らサナダムシを体内で飼育し、花粉症が消えたとも報告しています(著書『笑うカイチュウ』)。花粉症に悩むたびに少し複雑な気持ちになる話ですが、花粉症は、腸内環境によって何らかの形で引き起こされていると推測できる話ですよね。
■ メガネの防御効果
花粉対策というとマスクが主役になりがちですが、実は目への花粉対策にはメガネが非常に効果的です。日本医科大学耳鼻咽喉科の実験データ(環境省採用)によると、普通のメガネをかけているだけで目に入る花粉量が約40〜50%減少。サイドにカバーが付いた花粉症対応タイプのメガネでは、約65〜98%もカットできることが確認されています。
なぜフード付きがここまで効果的なのか、少し意外な理由があります。花粉は風に乗って漂い、最終的に「上から目に落ちてくる」ことが多いのです。フレーム上部をカバーするフードの有無が、これほど大きな差を生む理由はここにあります。なんとなくかけているメガネが実は花粉の盾になっているのも、同じ理屈です。

もうひとつ、選ぶフレームのサイズも防御効果に関係します。レンズが大きいほど顔との隙間が減り、花粉が入り込みにくくなります。花粉の季節だけ「伊達メガネ」や「サングラス」を取り入れる場合は、少し大きめのフレームを選ぶのがおすすめ。屋外でのお買い物やお散歩のときにも、メガネひとつで目の負担がかなり変わります。
■ 帰宅後のひと手間
外出後にまず行いたいのが、顔・髪・手の花粉をしっかり洗い流すこと。目は特にデリケートなので、洗顔のついでに目のまわりもていねいに洗うと症状が和らぎやすくなります。
また、換気のために窓を全開にすると、1時間で約1,000万個もの花粉が室内に入り込むという実験結果があります。窓は10cm程度開けてレースカーテンを引くだけで、花粉の侵入を4分の1に抑えられます。衣類もウール素材より表面がツルツルした素材のほうが花粉が付着しにくくおすすめです。
■花粉シーズンの目守り3ヶ条
① 外出時はメガネ・サングラスで目への花粉を40〜65%カット
② 帰宅後はすぐに洗顔で花粉を落とす
③ 換気は「窓10cm+レースカーテン」で花粉侵入を最小限に

花粉症との戦いに、特効薬はなかなかありません。それでも、小さな対策を積み重ねることで、シーズンを乗り越えるのがずっと楽になります。私たちも、皆さまの花粉症の症状が少しでも軽くなるよう、目を守るためのアイウェアを通じて、改善できることを模索していきたいと思います。








